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間取りと家事 

商店街の家で、バスタブは真ん中に

中津のカフェ併用住宅で、オーナーさんの希望は二つありました。透明な扉にしたい。浴槽は真ん中に置きたい。阿部が動画の中で「もうユニットバスじゃないな」と話すのは、その希望を聞いたときのことです。外へ窓を開けることとは少し違う、この住まいらしい浴室の話です。

濃いグレーの床に置いた白いバスタブと床置きの水栓、隣に便器
浴室とトイレを、ひとつの部屋にまとめた。

見られたくないから閉じる窓

外へ向けて窓を大きく開けても、入浴中に外からの視線が気になれば、結局は覆って使うことになります。動画で阿部が説明しているのは、その心配と、開放感をどう両立するかということです。ご本人の暮らし方に合わせ、内部から見たときの広がりを取っています。

もちろん、透明な扉がどのご家庭にも合うわけではありません。一人で暮らす人、入浴時間の違う家族、泊まりに来る人がいる家。それぞれ安心して過ごせる境目は違います。

家の外は商店街。浴槽に入るたびカーテンやブラインドを下ろすのなら、そこで得たかったのは、通りの眺めとは少し違うかもしれません。家の内側に向かって視線が続けば、浴槽のまわりで目が壁にぶつからずに済みます。オーナーさんが望んだ透明な扉は、その方向に開いています。

住まいの中から、コートヤード越しに向かいの店舗を見る。黒い枠のガラス戸が並ぶ
コートヤードを挟んで、住まいと店舗が向かい合う。

置きたい浴槽が、浴室のつくり方を変える

真ん中にバスタブを置きたいという希望を聞き、既製のユニットバスとは違う構成を検討しました。現場でつくる浴室では、水を受ける床や壁の防水、掃除しやすさまで考えて初めて形になります。この家ではFRP防水を施しています。

完成写真だけを見ると、浴槽の位置に目が行きます。でも、同じ案内の中で、排水や防水、どこから誰の目が届くかまで聞くと、この一軒でその形を選べた理由が分かります。

色の付いた面を見て、聞き手は防水の話に驚きます。バスタブの形に目が行くところで、阿部が説明するのはFRP防水です。浴槽の外に落ちる水を受ける床があって、初めて真ん中に浴槽を置ける。室内をつくり込む自由には、床の防水や排水を個別に考える手間もついてきます。

タンクの横にハンドシャワー式のビデを付けた便器
暖房便座の代わりに、ビデを付けたトイレ。

扉を閉めたときの眺め

同じ広さが欲しい人でも、脱衣室に家族が入る間は視線を切りたいかもしれません。透明な面の向こうを誰が使うか、湯に浸かって何を眺めたいか。その順で考えると、窓の大きさやガラスを透かす範囲を、自分の生活に合わせて選べます。ここでは住まい手の希望から始めた結果、通りと距離を取ったまま浴室が広がりました。

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