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間取りと家事 

お客様がいない日の、北九州の和室

リビングの奥で木の扉を開けると、畳の部屋があります。ご家族や友人が泊まる日には布団を敷く。けれど、この部屋をつくった理由を阿部に聞くと、ご主人がひとりでゆっくり過ごせる場所が欲しかったことも出てきます。お客様が来ない日のほうが、ずっと多いのです。

足元に低い窓のある通路。奥に曲面のラワンの壁とキッチン
和室の前の通路から、キッチンの方を見る。

リビングの隣にするか、少し離すか

畳の間をリビングの隣にすれば、家族が集まったときに広げて使えます。一方、ひとりで本を読みたいときに、食卓のすぐ隣が落ち着くとは限りません。この家では、泊まる人の寝場所と、ご主人が普段過ごす場所を重ねて、にぎやかな場所から少し離しました。

客が来る日のためだけに部屋をつくると、空いたままになる時間が長くなりがちです。普段の誰にとって必要な場所なのかが決まっていると、その一室を取る理由もはっきりします。

リビングをもう少し広げて、その続きに畳を敷く方法もあります。そこなら家族の話を聞きながら横になれる。一方、扉を閉めて少し離れたい時間には、別の人がテレビを見ている居間から距離を取れるほうがうれしい。この家は、後者の時間にも居場所を用意しました。

通路の先の縦長の窓。公園の木と遊具が見える
通路の先の窓から、公園の緑が見える。

座って初めて見える窓

和室の窓は低い位置にあります。外に立っている人の高さではなく、畳に座って眺める高さに合わせたものです。外に植える木も、ご夫婦がこれから自分たちで手を加えられる余地を残しました。

泊まりに来る人のためには、布団の置き場所も部屋の中にあります。リビングから離れた落ち着きは、寝具を遠くまで運ばずに済む使いやすさと、同時に計画されています。

低い窓の外には、住まい手自身がこれから木を植えられます。家ができた日に庭が完成していなくてもいい。気に入った木を見つけて一本持ち帰ったら、それを畳から眺める楽しみが増える。庭の余地を残すことと、一人で過ごせる場所をつくることが、窓を挟んでつながっています。

立って見学していたら

入口に立ったままでは、窓がずいぶん低いように感じます。あぐらをかいて、視線を畳に近づけると、そこで初めて外の木がちょうどよく見える。客間が要るか、要らないか。畳数を決める前に、誰も泊まらない普通の午後に、自分がそこへ座りたいかを考えられる和室です。

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