光と素材
中津のカフェ併用住宅で、白い壁を自分で塗れるようにした理由
中津の商店街、予約のある日に人を迎えるカフェ。その奥には店主さんの家があります。リビングを案内していた阿部が、家具の置き方の話から、ふと壁の話に移ります。「あと壁もペイントなんですよ」。完成写真で見ればごく普通の白い面です。ここを選んだ理由は、何年か住んだあとに分かります。

好きな色をあとに取っておく
住まい手には、家の中が暗くならないようにしたいという希望がありました。そこで白を広く使い、色を加える場所を選んでいます。壁紙で仕上げるかわりに、石こうボードの上に塗装をした面なら、いずれ一部を塗り直して、部屋の雰囲気を変えられます。
これは、白なら誰にでも合うから選んだという話ではありません。完成後も自分で手を入れたい人にとって、塗り替えるという行為まで含めて、その家の仕上げになります。
動画で説明しているのは、石こうボードにEP塗装を施した仕上げです。住まい手が選んだ色をいま楽しむ。その人が先々ほかの色を好きになったとき、一面から自分で塗り替えられる。初めから色を決め切ることより、自分の手でこの先も決められることに値打ちがあります。

家具を替える場所にも、余裕を残す
リビングとキッチンの間に立つのは一本の柱です。壁で二室に区切らなかったので、冷蔵庫や洗濯機をいつか買い替えたときにも、今の並び方だけに縛られません。塗り替える壁と同じように、住みながら決められるところを残しています。
もちろん、配管や電源の位置には条件があります。すべての家具や設備を自由に動かせるという意味ではありません。今の使い方を決めるものと、後で替えたいものを分けて考えた例です。
例えば、いまの洗濯機が壊れて乾燥機と組み合わせて置きたくなる。大きな壁を先につくってしまうと、置きたいものの幅より、先に決まった壁の幅が優先されます。ここでは一本の柱が台所の始まりを教えます。部屋の境目はちゃんと感じるのに、柱の両側には使い方の余地があるのです。

色を残す方法は、小さい
同じ仕上げを検討する方には、引き渡しのとき、塗料の品番と塗った場所を一緒に控えておくことをおすすめします。手垢が付きやすい一面だけを塗るのか、隣の面も一緒に塗るのか。光のよく当たる壁で小さく試せば、年月を経た色との違いも自分の目で選べます。










